V&A のファッションとテキスタイルのコレクションを、間近で見学できる場所。エリザベス女王が着たドレスも!
V&A Clothworkers’ Centre(クロスワーカーズ・センター)は、ヴィクトリア&アルバート(V&A)博物館の分館で、西ロンドンのブライス・ハウスと言う場所にあります。
ファッションやテキスタイル関連の所蔵品を保管していおり、コレクションは考古学的に価値のある作品の一部から、重厚なカーペット、アクセサリーや刺繍が施された18世紀の下着、ドレスまで、さまざまなものがあり、それらの所蔵品は一般や研究者のために、見学や研究の目的で開放されています。
V&A Clothworkers’ Centre へのアクセスと開館時間・入館料など
住所:Blythe Rd, London W14 0QX
最寄りの駅:Kensington (Olympia)(オーバーグラウンドの駅)から徒歩5分ほど。
開館時間:補足情報参照
入館料:無料
補足情報
- この博物館の見学は無料ですが、予約制です。個人での見学は、毎週火~金の10:00-13:00 または 14:00-16:30 までになっています。
- 8月は休館。
- 毎月の最終金曜日はツアーも行っています。こちらも要予約。(私は今回このツアーに参加しました。)予約方法などの詳細は後述します。
- 最寄りの駅は「ケンジントン(オリンピア)」と言う駅ですが、地下鉄駅の場合、High Street Kensington または Hammersmith からバスでケンジントン(オリンピア)に行くのが最適だと思います。所要時間はどちらも10分ほど。バスはどちらの駅からも9,10,27番のバスが通っていて、全てストップ F のバス停から出発します。
- 見学時にはパスポートなどの身分証明になるものが必要です。(ただし、私は提示しろと言われませんでした。)
- Clothworkers’ Centre の展示物は、写真撮影可です。
Clothworkers’ Centre の予約方法
私が Clothworkers’ Centre の存在を知ったのは、V&A のファッションのコーナーで↑この案内書きを見つけたからです。
早速行ってみよう・・・と思ったところ、予約が必要とのことでした。
さらに予約の際は、自分が興味のあるアイテムをデータベースから数点ピックアップして、メールで伝えることが必要で、一般の人が見学するための場所と言うより、学生や研究者が学ぶための場所だな~と、少々敷居が高そうな感じでした。
でも、せっかく家からも徒歩で行ける距離だったので、ぜひ見てみたい!と思っていたら、毎月、最終金曜日はツアーを行っているではありませんか!
なのでさっそく、参加希望のメールを送ってみました。
こちらも予約が必要ですが、メールで行うので難しくありません。
まず、 clothworkers@vam.ac.uk に、見学をしたい理由を明記してメールを送ります。
すぐに自動で返信メッセージが返ってくるので、もう一度同じような内容のメール(何月の金曜日がいいかを明記したもの)を、そのメールアドレスに送ります。人気のツアーなので、少なくとも2週間前には予約のメールをしたほうがいいそうです。
すると、今度は担当の人からメールが来るので、当日は指定の時間(私は12時でした。)に間に合うようにいけばオッケーです。
門は通常は閉まっているので、横にあるインターフォンを押して要件を伝えると開けてくれます。
アーチの部分をくぐり、左側のドアから入るのですが、私はなぜか開けることができなかった気が・・・^^; 中にいた人が気づいて開けてくれました。
そのまま奥に進むとレセプションのようなところがあるので、そこで名前と要件を改めて伝えます。持ち物には身分証明が必要と書いてあったので持って行ったのですが、特に見せることはなかったです。
ロッカーに荷物をしまって、説明係の人が来るのを待ちます。ちなみに私が訪れた時は、見学者が私のほかに10人ちょっといました。
V&A Clothworkers’ Centre の個人的な印象と見どころ
通常の博物館のような場所ではないので、多くの作品を自由に見ることができるというよりは、数点の作品を、時間をかけてじっくりと調べることができるという感じの場所でした。
しかし、今回ツアーで見せていただいたものはどれも貴重なものばかりで、なんと言っても、エリザベス女王や有名な女優が何かのパーティでお召しになったドレスや、手刺繍が全体に施された18世紀のドレスなどを、かなり近くで観察できる点がすごいと思います。
また、一般的な博物館だと薄暗い照明の中、ガラスケース越しに見学するのが普通ですが、ここでは遮るものはありません。
私のような一般人がこんなに近くで見ることができる場所はないので、なかなか貴重な体験だと思います。
V&A Clothworkers’ Centre で気になった展示物
一般向けのツアーでは、ある1つのフロアー全体を案内してくれます。
やはり、私的に一番の目玉は、エリザベス女王のお召しになったこちらのドレスです↓
ノーマン・ハートネル と言うデザイナーによってデザインされたドレスで、エリザベス女王が1957年にパリを公式訪問されたときのものだそうです。
ドレスをよく見ると、裾の部分が汚れていたり、表面にシミ(多分ワインのあと)のようなものがあったりするのですが、案内してくれた学芸員さんによると、わざとそのままにしてあるそうです。
なぜなら、そういったものを含めて「エリザベス女王がパリで着たドレス」になっているからだそう。
それを聞いて、なるほど~、補修・保全作業って、まったく新しくきれいにするだけじゃないのね~と、なんだか納得しました。
女王のお写真と一緒に保管されていました。(でも、引き出しにしまってあるっていうのもちょっとびっくりですよねw)
このように通路を挟んで、多くの貴重な作品が保管されているロッカーがずらりと並んでいます。
服や、
服飾品はもちろん・・・
こんなものまで!(カーペットだと思われます。)
こちらでは、スタッフの方がオンラインカタログ用に精密な写真を撮って、パソコンで編集作業している様子を少し見せていただきました。
部屋の反対側に移って、ここでは学芸員の方が私たちのためにセレクトしてくれていた作品が展示されていました。
個人的に気になったのは、奥の黒いタンクトップのようなもの。これ、水着なんです。(生地はニットな感じなので、泳ぎにくそう^^;)
他にもハンドペイントの作品と思わしきものや・・・・
こんなユニークなジャケット(ボタンに注目!)
コルセットもありました。
そして最後、こちらはつい最近まで海外の美術館に貸し出されていたという、18世紀の フォーマル・コート・ドレス。
模様の一つ一つはすべて、手刺繍です。
近づいてみると、糸だけでなく金属も刺繍されていることがわかります。
「場所によって上手い・下手があるので、一人の人だけだけでなく何人かの手によって刺繍されたということが分かるんですよ。刺繍にも個性が出るのね。」
と言う、学芸員さんの解説でした。
ツアーはここで終了。約1時間弱の見学でした。
最初はちょっと入りにくいイメージだったのですが、こんなに近くで作品を鑑賞することができるのは、なかなかほかの場所ではないことだと思うので、見学できてよかったです。
ファッション関連を学びにイギリスに留学する方も多いと思いますが、そういう方はこちらの Clothworkers’ Centre に足を運んでみると、充実した研究ができると思いますよ^^
V&A Clothworkers’ Centre の見学のポイントまとめ
- V&Aのファッションとテキスタイルの所蔵品を保管・研究のための場所
- 展示品を間近で観察・研究することができる
- 予約が必要なので、計画を立てて訪問を!