モリスがインテリアを担当した、イギリスのアーティスト、ウォーカーの家
エメリー・ウォーカーズ・ハウスは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、彫刻家や写真家として活躍したエメリー・ウォーカーの家で、ウィリアム・モリスが晩年を過ごしたケルムスコット・ハウスの近くにあります。
ウォーカーは、イギリスのアーツ&クラフツ運動における主要人物でもあり、モリスとも親交がありました。そのため、建物内部はお互いのデザインやアイディアを折衷してデザインされたものとなっております。
この家は、ウォーカーの死後も彼の娘や心棒者によってほぼ当時の状態のままに保たれてきましたが、そのおかげで、この家は訪れる人に「アーツ&クラフツ運動の、唯一で本物のインテリア」だという印象を与える場所になっているそうです。
Emery Walker’s House へのアクセスと開館時間・入館料など
住所:Emery Walker’s House 7 Hammersmith Terrace W6 9TS
最寄りの地下鉄駅:Stamford Brook, Ravenscourt Park(徒歩10分弱)
開館時間:11時、1時、3時/予約制(詳しくは補足情報参照)
入館料:11£(木曜日のツアー)、12.50£(土曜日のツアー)
公式ホームページ:http://www.emerywalker.org.uk
補足情報
2018年のこの先の開館日は、7月7日、8月4日、9月1日、10月6日、11月3日、12月1日です。ホームページから予約が必要です。
作品保護の観点から、建物内部の写真撮影は禁止となっています。(ガーデンはオッケー。)
Emery Walker’s House の個人的な印象と見どころ
実は、私がこの家を訪れたのは、ロンドンで1年に2日だけ行われる”Open House London”と言うイベントの時でした。
そのため、見学可能なお部屋は1階のダイニング・ルームとガーデンのみに制限されていて、すべての部屋を見て周ることはできませんでした。(有料のツアーでは全ての部屋を観ることができるそうです。)
ただ、エントランスからガーデンに続く空間だけでも、とても凝った「アーツ&クラフツ運動」のインテリアであふれているので、とても見ごたえがあります。
ロンドン近郊のモリス関係の博物館やギャラリーにはほとんど行きましたが、こちらが一番、アーツ&クラフツ時代の空気が漂っているような場所だったと感じました。(写真が撮れなかったので、雰囲気をお伝えできないのが残念。)
Emery Walker’s House で気になった展示物
前述のとおり、建物内部の写真が撮れなかったので、外観だけ・・・^^;↑ちなみにこの写真は、ガーデン側から建物を撮ったものです。
ガーデンはとてもこじんまりとしていますが、日辺りが良くて居心地のよさそうな場所でした。
ガーデンからはテムズ川を一望できます。
エントランスはこんな感じ。
ブルー・プラークと言う、著名人が住んだ家などに設置される銘板もありました。
ちなみに Hammersmith Terrace は1から17まであり、イギリスのアート界を代表する有名人が住んでいた場所でもありました。(ちなみに現在はすべてプライベートオウンの家になっているため、中に入ることはできません。)
エメリー・ウォーカーの家は 7 Hammersmith Terrace ですが、こちらの写真の 8 Hammersmith Terrace は、ウィリアム・モリスの妻のジェーンと娘のメイが住んでいた家です。
1 Hammersmith Terrace は、T. J. Cobden-Sanderson と言うアーツ&クラフツ運動で活躍した人物が設立し、のちにウォーカーも加わった Doves Press と言う出版社があった場所なのですが、その名前は近くにあったパブ、The Doves に由来しています。(現在でも営業しています。)
このように Hammersmith には、ウィリアム・モリスを中心としたアーツ&クラフツ運動に関係の深い場所がたくさんあります。
モリスもこんな景色を見ていたのかな~なんて思いながらテムズ川沿いを散歩するのも、なかなか感慨深いものがありました。
Emery Walker’s House の見学のポイントまとめ
- アーツ&クラフツ運動の時代のインテリアが、ほとんど当時のまま残されている。
- 見学には予約が必要なので、ご注意を!
- 写真撮影は禁止ですが、中に小さなショップがあって、ポストカードなどを購入することができます。(確かカードは使えませんでした。)