ウィリアム・モリス・ギャラリー(William Morris gallery)ー作品を通して、モリスの人となりを知る

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ウィリアム・モリスが青年時代を過ごした、ロンドンの家

ウィリアム・モリス(1834-1896)は、イギリスのアーツ&クラフツ運動を主導した人物です。

デザイナーとしての活動が有名ですが、そのほかにも詩人、ライター、思想家など、様々な顔を持つ人物でもありました。

今回ご紹介するウィリアム・モリス・ギャラリーは、イギリスで唯一の、ウィリアム・モリスの生涯と偉業をたたえることがテーマとなっている公共の博物館です。

モリスが 1856 年から1848 までの8年間を過ごした家がそのままギャラリーとなっており、1950年に開館しました。

その後、2012年に1年間の修復作業を経てリニューアルオープンし、現在に至ります。

ウィリアム・モリス・ギャラリーへのアクセスと開館時間・入館料など

住所:Lloyd Park, Forest Road Walthamstow, London, E17 4PP

最寄りの地下鉄駅:Walthamstow Central, Blackhorse Road(徒歩15分ほど)

開館時間:10:00~17:00 水~日

入館料:無料

公式ホームページhttp://www.wmgallery.org.uk

補足情報

ウィリアム・モリス・ギャラリーまでのおすすめの行き方は、ヴィクトリア線の Blackhorse Road 駅から123番のバスに乗り、Lloyd Park / William Morris Gallery で下車と言う方法です。(ギャラリーは目の前にあります。)

Walthamstow Central 駅からは 34, 97, 215, 275, 357 のバスに乗り、Bell Corne で下車、そこから5分ほど歩くとギャラリーに到着します。

ちなみに Walthamstow Central 駅から行く場合は、プラットフォームにウィリアム・モリスのデザインのタイルが使われているので、そちらもお見逃しなく!

ウィリアム・モリス・ギャラリーの個人的な印象と見どころ

ギャラリー自体は小規模ですが、プリントや刺繍、織物などで装飾が施された布やカーペット、壁紙、家具、ステンドグラスやタイルなどのモリス自身によるに加えて、彼の会社「モリス商会」にかかわった人々( 有名どころでは Edward Burne-Jones, Philip Webb, Dante Gabriel Rossetti など)の作品も展示されています。

また、モリスの生涯や作品に特化したギャラリーと言うだけあって、デザイナーとしての側面だけでなく、彼の人となりを垣間見ることができるようなギャラリーになっていて、個人的には、この点がこのギャラリーの最大の見どころだと思いました。

と言うのも、作品を生み出す工程で、モリスがどのようなことを考えていたか、どのようなこだわりを持っていたのかなどについてまで詳しく解説してくれているので、作品のその奥にあるものなども学べて、より深い理解を得ることができたからです。

また、モリスのインスピレーションとなった植物などが育てられているガーデンもあります。6月のバラの時期には、花を観賞しながら歩くのも気持ちがよさそうです。

ちなみに、「William Morris」という名前のバラもあるみたい!私が訪れた時は少し時期が早くて、まだ咲いていませんでした。

また、居心地の良いカフェもあるので、見学後はここでお茶をするのもいいですよ。

私もお菓子をいただきましたが、なかなかおいしかったです。

屋根のガラスにも、モリスのデザインが取り入れられています。

ウィリアム・モリス・ギャラリーで気になった展示物

モリスに興味がある私としては、ほとんどすべてのものが気になったのですが、とてもじゃないですがすべてはあげられず^^;

そこで、他ではあまり見ることができないものを中心にご紹介したいと思います。

まずこちらは、ステンドグラスの一部です。モリスのデザインで、Fulham にあった Burne-Jones の家のために作られたものです。

この作品は “Minstrel” がテーマになっています。ミンストレルとは中世の吟遊詩人のことだそうです。

モリスが中世に強い憧れを抱いていたということが窺い知れる作品の一つです。

こちらの作品は、モリスがデザインをして、娘のメイが刺繍を担当した作品です。

デザインは全て手描きで制作されていたことがうかがえます。

モリスが興した「アーツ&クラフト運動」は、産業革命によってもたらされた低品質な商品を否定し、中世の世界のように、手仕事を通して生活とアートを統一させることを目的とした運動でした。

しかし結果的には、モリス商会の商品は裕福な人にしか手の届かないものになってしまったそうです。そりゃ、そうだよね・・・。

Edward Burne-Jones による作品。

彼はこのほかにも、モリスや彼の妻のジェーンの落書き・・・もとい、スケッチを残しました。

こちらは、染色のための材料についての解説。

モリスは、当時普及し始めていた化学染料は、安価で使い勝手はいいものの、けばけばしくて個性に欠けるものだと感じていたそうです。

そこで、Thomas Wardle と言う科学者と協力し、10年がかりで、インディゴなどの自然の染料を使って好みの色に染める方法を編み出しました。

有名な「イチゴ泥棒」のデザイン。

ふと天井を見上げてみると、こんな素敵なディスプレイが!

その隣には、パターンを作るのにつかわれたと思われるスタンプのようなものが。

この連続模様のパターンは、パーツごとに作られていたんですね。

全体の滑らかな曲線から葉の部分のドットに至るまで、とても丁寧に彫られたスタンプ。

こういう感じのモリスのデザインは、あまり見かけないタイプのものだと思います。

壁紙の部屋。写真中央は、モリス商会の壁紙のカタログです。

写真の色味のせいでちょっとよくわからない感じになっていますが(汗)とても見ごたえがある展示でした。

モリスは「ケルムスコット・プレス」と言う印刷工房で、装飾なども手掛けていました。こちらのものは、「ケルムスコット・プレス設立趣意書」です。

モリスが出版した本の中には、その意図があまりにも不明慮だったために「失敗に終わったプロジェクト」もあったとか^^;

ところで、展示されている作品はもちろんなのですが、このギャラリーでは、建物自体にも、モリスのテイストがちりばめられていて、とても魅力的なんです。

例えばこのカーペットの柄、私、すごく好きです。

女性らしいイメージの花を挟むように、大胆でスタイリッシュな矢印のような模様が両脇にデザインしてあって、全体としてまとまった印象のカーペットだな~と思います。

階段を上った先にある窓から見えるガーデン。

この日は5月初旬で天気も良く、とてもいい眺めでした。

カフェ近くのトイレのドアにも、モリスのパターン。

このディスプレイも素敵。お土産ショップの商品が展示されていました。

ガーデン側から見たモリスの家。

ちなみにモリスの生家は Elm House と言って、同じ Walthamstow 地区にあるのですが、そちらはもっと豪華で広々とした家だったそうです。

モリスの両親は裕福でしたが父親が突然他界してしまったため、こちらの Water House に移ってきたとの事ですが、こうしてみるとこの建物も十分広いですよね^^;

ウィリアム・モリス・ギャラリーの見学のポイントまとめ

  • ウィリアム・モリスが幼少期を過ごした家。モリスファンは必見!
  • モリスの作品だけでなく、彼に影響を与えた友人たちや、アーツ&クラフツ運動の時代についても学べる
  • テキスタイルやデザインに興味のある方にもおすすめのギャラリーです。刺繍などのクラフト系ワークショップも要チェック!
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